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晴れ。ごちそうさんを観る。上野の森に赴き、西洋美術館にてミケランジェロの展覧会を鑑賞せしが、素描や習作ばかりにて大した収穫はなし。しかし同館にて催されしイタリア版画展は宜しかり。フィレンツェ派作「荒野の聖ヒエロニムス」、サイコロ印の版画家作「ヤギに乗る子供のいるフリーズ」、マルカントニオ・ラモンディとアゴスティーノ・ベネツィアーノ作「魔女の集会」、パルミジャニーノ作「キリスト埋葬」、ダルフィアーノ・エビファーニオ作「ネプトゥヌスの凱旋行進」、ティエボロ・ジョバンニとドメニコ作「聖シモン・ストックに姿を現す聖母」が良し。昼餉に、光麺にて拉麺を食す。その後日比谷線に乗りて六本木に赴き森美術館にて六本木クロッシング展を鑑賞す。ジャンクアートを作る作家の途絶える事なきを不可思議に思ふ。その後思い付きて六本木一丁目まで歩み偏奇館跡を訪ねる。巨大なビルヂング建ち並び、当時を思わせる面影も情緒も残らざる状況に、予想していたとは言え落胆す。南北線にて駒込まで戻り部屋にて休む。灯刻となりて近所の田んぼなる居酒屋に喫す。この店は、一合の酒を円錐形の器に注ぎて、それを彫り込んだ木製のブロックに差して出せり。セロリのお新香美味し。荷風と東京を読む。