people
人の心から何かが失われると、それはそのまま人の裡に絶対的な空白を作る。そして眼差しに影を落としてしまう。注目すべきはその部分であり表層ではない。表層は舞台であり、其処では人はどんな嘘をも吐く事が出来る。舞台は華やかで、勢いもあり、潔いもの…
村上龍の「希望の国のエクソダス」だったか、人間は欲望を持って生きないと退行するという意味合いの事が書かれてあった。そして何処で読んだのか忘れたが、アメリカ政府に保護されたネイティヴ・アメリカンの男達は、狩りをする必要も必然も無くなった為、…
ここ三週間ばかり仕事に忙殺されていて、それがようやく一段落ついたところで、何だか虚ろな気分に陥ってしまった。忙しく立ち回っていた時との落差なのだろうと思っていたのだけれど、でもそれならそれで、忙しい間に出来なかったあれこれをやろうと解き放…
今年の秋は、印象としては僅かに二週間くらいしかなかった気がする。四季が失われつつあるのかなあ、とも思うけど、断腸亭日乗を紐解けば、永井荷風が同じように気候の変動を訝しむ記述があったりするので、もしかすると人間の環境に対する感じ方には傾向が…