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陰。共産党議員候補駅前にてビラを配布してをれり。電車内にて" 断腸亭日乗 " を読む。昼餉に、浅蜊飯・春雨スープを食す。 " 松本隆の音楽図鑑2000 " を聴く。「マッチにて煙草に火をつけむとすれども川風吹き来たりて容易につかず。傍らに佇みゐたる街娼の一人わたしがつけて上げませう。あなた。永井先生でせうといふ。どうして知ってゐるのだと問返すに新聞や何かに写真が出てゐるぢゃないの。『鳩の街』も昨夜よんだわ。わたしこの間まで亀有にゐたんです。暫く問答する中に電車来りたれば煙草の空箱に百円冊参枚入れたるを与えて別れたり」七十一歳の老人と二十歳を幾らか越したばかりの私娼との会話なり。帰宅時の東の夜空に大きく赤い月が低い雲の上に浮かんでをれり。夕餉に、菜の花の芥子和え・おでんを食す。幻の瀧を呑む。